“20世紀のルノワール”展 ( RENOIR AU XXe SIECLE )

フランス印象派の画家ルノワール(Pierre Auguste Renoir(1841 –1919))が印象派の代表モネ、ピサロセザンヌ、或いはシスレー等とのある種の戦いの後、独自の画風を追求して印象主義(l’ impressionnisme)を離れ、南仏に移り住んだ頃から以降の、光に魅せられた装飾的な画風の作品110点を“20世紀におけるルノワール”と題して展示しています。印象主義の頂点に達したと感じたルノワールは最早制作の意欲を失い、行き詰まってしまった苦悩を打ち明けながらも、1881年のイタリア旅行でラファエルのフレスコ画に接して目が覚めたことは、展示された作品からも窺い知れます。詩人のアポリネールを始め多くの人が「田舎での踊り」(Danse a la campagne(1883))、「カーニュのブドウ畑」(Les vignes a Cagnes(1908))といった後期の作品を賞賛し、特に「浴女たち」(les baigneuses(1918))はリューマチで両手が変形してしまったにも拘らず、最後の力を使い、全身のエネルギーを振り絞って描いた晩年の力作だけに、マチスをして“ルノワールの傑作で、最も美しい作品”と云わしめました。
2010年1月4日迄、 Galeries nationals du Grand Palais (3,avenue du Gal.Eisenhower,75008 Paris) メトロChamps-Elysees-Clemenceau 火曜日を除く毎日10時―22時(木曜日は20時まで)、 入場料 11ユーロ