パリ熱帯植物園  ( LE JARDIN TROPICAL DE PARIS )

パリの東、ヴァンセンヌの森(le bois de Vincennes)の中に“熱帯植物園”と呼ばれていた庭園があります。今ではすっかり忘れ去られたようですが、1907年に華々しく開催された“植民地博覧会”(l’ Exposition Coloniale)の会場として1899年に造られ、当時には珍しい熱帯植物を導入しようとの計画から、東はインドシナ、南はアフリカやカリブ海などの各地から植物を集め、特徴あるマグレブのパビリオンを建て、農業専門学校を開校するまでになったのです。しかし博覧会開催後は悪天候や戦争などで荒れ放題、今では色褪せた中国風の門や、窓をベニヤ板で覆ったチュニジア館など、僅かに当時の面影を残しているに過ぎません。再び庭園として生き生きと蘇るのは何時のことか、パリ市でも予算が立たずにいるようですが、秋の色を楽しむ為の散歩コースとしては決して悪くはありません。毎日9時30分開園、入場無料。アクセスはRER A線でNogent-sur-Marne駅下車、徒歩での入り口はヴァンセンヌの森45 bis, Avenue de la Belle-Gabrielle, Paris 12e です。