ウイリー・ロニス  ( WILLY RONIS )

フランスには“ヒューマニスト”と呼ばれる写真家(Photographe humaniste)が4人居ます。ドアノー(Robert Doisneau(1912-1994))、ブラサイ(Brassai(1899-1984))、カルチエ・ブレッソン(Henri Cartier-Bresson(1908- ?))、そしてウイリー・ロニス(1910-2009)です。その中でもパリに生まれ育ちパリに住む生粋のパリっ子で、パリの街角、そこに生活する人達の自然な姿を捉えて名高いウイリー・ロニスがパリ20区の自宅で99才で亡くなりました。パリを離れた事がないと云われていますが、1970年の急激な物価の高騰には耐えられず、アヴィニョンからそれ程遠くないイール・シュル・ラ・ソルグ(l’ Ile-sur-la Sorgue)に10年ほど住んだのですが、パリが忘れられずに戻ってきたのだそうです。16才の時に父親からもらったコダックエッフェル塔を撮って以来今日迄80年近くパリの表情を撮り続けたクリッシェは、現存するだけでも9万枚に上ると云われます。街で偶然被写体となった人が展覧会に現れたり、連絡をして来たりすると、それからは交流を絶やすことがない温かい人間味溢れる人物であったとの評判です。2006年2月には長寿を祝ってパリ市が市庁舎にて展覧会を開催、代表的な200点を載せた記念写真集Willy RonisがHoebeke社から刊行され好評でした。