パリのマロニエに赤信号  ( LES MARRONNIERS VOIENT ROUGE )

まだ9月だと云うのに、パリの並木や公園のマロニエの葉がすっかり枯れてしまっているのにお気付きですか。確かにマロニエは他の樹木に比べて早く枯葉となり、散っていきます。それにしても一寸早過ぎます。パリ市の森林・樹木課(Service de l’arbre et des bois)によりますと、マロニエ、それも白い花の咲くものだけに生息して葉の水分を吸って枯らしてしまう害虫が、2000年初期頃マケドニア(la Macedoine)からやってきて、アッと云う間にパリ中に繁殖し、二つの森、ブローニュとヴァンセンヌにあるマロニエなどは95%が侵されているのだそうです。一枚の葉に75個もの卵を産みつける勢いですが、同じマロニエでも紅い花が咲くものには全く寄りつかないのが特徴です。パリ市ではその対策として、人間に無害な殺虫剤もこれといったものが無く、サナギになった時点で葉を集めて燃やし、春に蝶となるのを防ぐか、マロニエの木を紅い花のものに植え替えるか、それとも他の種類の木に変えるか検討中とのことです。それにしてもシャンソンにも唄われてパリの雰囲気を作っているマロニエの並木が無くなったらと思うと、とても淋しい気がします。