“カブトムシ”と“カットル・シュヴォー”( LA COCCINELLE & LA 4CV )

世界の自動車史上最も沢山売られた車、それは皆様よくご存知のフォルクスワーゲンの小型車です。英語ではビートル « beetle »(カブトムシ)、フランス語ではコクシネル « la coccinelle »(テントウムシ)の愛称で親しまれましたが、今や想い出のの車となってしまい、時々見かけますと大変に懐かしい気がします。戦時下のドイツの総統ヒトラーからいわゆる“国民車”(Volkswagen)を創るべく命令を受けたポルシェ博士(Ferdinand Porsche(1875-1951))は、丸味のある斬新なデザインのボディで、しかも後部にエンジンを載せた革命的な大衆向けの自動車を今から75年前の1934年6月22日に発表しました。しかしながら戦況が悪化した為、実際に生産販売されたのは、戦後1945年になってからのことです。当時の笑い話にこんなのがありました:本来トランクである後ろを開けて“ほう、さすがドイツ車だねエ、後ろにもエンジンを積んでいる。”.......同時期のフランスではアンドレシトロエン(Andre Citroen(1878-1935))が一足前から“国民車”のアイデアに基ずいて、トタン板を張り合わせて幌をかけたようなボディに空冷2気筒エンジンを載せた“ドゥシュヴォー”(2CV)を生み出していましたし、ルイ・ルノー(Louis Renault(1877−1944))がリヤーエンジンの大衆車を出し、“カットル・シュヴォー”(4CV)の名で人気がありました。この車は日本でも日野自動車が生産、“コンテッサ”の名前で自家用にもタクシーにも使われていたことがあります。私が免許を取る際に練習場で乗ったのも、この日野ルノーだったのを憶えています。