藤田画伯晩年の家 ( LA DERNIERE DEMEURE DE FOUJITA )

それはパリから南西に約30km、エソンヌ県(Esonne)の田舎町ヴィリエ・ル・バークルに在ります。1960年、75才の頃のある日、シュヴルーズ渓谷(la vallee de Chevreuse)を散歩していた藤田画伯が、何の変哲もない田舎町の、しかも荒れ放題の一軒の家の前に立ち止りこの家で晩年を過ごし、最後の制作に励みたいと望んで買い入れたそうですが、自分で設計図を引き直して業者に改築を依頼したばかりでなく、もともとが器用な人だったそうで、カーテンやクッションなども自分で縫い上げたと云われています。1968年に画伯が亡くなってから、日仏両国の文化を持ち合わせた画伯を記念すべく保存を申し出たエソンヌ県に未亡人がこの家を寄付、住んでいた当時のままに美術館として整備され、一般公開となったものです。同時にエソンヌ県会の編纂により、未亡人の同意のもとに、イラストや写真も掲載された « Foujita, le maitre du trait »(“フジタ、筆の達人”と訳しましょうか)と題した本がPhilippe Picquier社から出版されました。(註1=当地ではフジタと発音させる為にFoujitaと書き、洗礼を受けてからは霊名を付けてレオナール・フジタ(Leonard Foujita)の名で知られています。)(註2=パリのPont de Sevres から国道N118でSaclay、更にChrist de Saclayから県道D36でVilliers-le-Bacle)
Maison-atelier de Foujita (7, route de Gif, Villiers-le-Bacle) 週末のみ開館(週日の見学は予約制 ・ 電話 01 6985 3465)