アンチ−ブのピカソ美術館再開 ( REOUVERTURE DU MUSEE PICASSO A ANTIBES )

美術館となっているグリマルディ城(Chateau Grimaldi)は、地中海に面して、古くはギリシャ人の町であったアンチポリス(Antipolis)の城砦として建てられ、中世期には代々の司教が住み、1385年―1608年にはモナコのグリマルディ家の居城でしたが、その後はアンチ−ブ市の市役所などに使われ、1928年にカンヌの中学校の教師ロミュアルド・ドール(Romuald Dor de la Souchere)の手によりグリマルディ博物館となり、1931年には歴史記念建造物(monument historique)に指定され、1945年、戦後初の展覧会として英国の子供達の絵画展が開かれた折、ピカソが訪れ、ドールの勧めで城内の二階をアトリエとして使うことを決めたのです。ピカソはここで23点の絵画と44点のデッサンを制作して残し、1957年にアンチ−ブの名誉市民に選ばれ、1966年12月、グリマルディ城は正式にピカソ美術館となりました。当館は主にピカソ自身とジャクリーヌ・ピカソの寄贈になる絵画とセラミックを展示、中でも « La joie de vivre »(生きる歓び)と題する1946年の大作は、当館の象徴的存在となっています。2年の歳月をかけて壁をぶち抜く等の大工事で、より明るく見易いように改装されたアンチ−ブのピカソ美術館は、この7月20日から再び一般公開され、バルチュス(Balthus)や、この地で命を絶ったスタール(Nicolas de Stael)等の作品も展示されており、鑑賞を続けながら時折窓から見える海、彫刻を配した中庭のテラスから臨む海、南仏の陽光に輝く紺碧の地中海は何とも美しく、印象的です。
Musee Picasso, Chateau Grimaldi, 06600 Antibes
musee.picasso@ville‐antibes.fr