No. 8

郊外電車のダイヤが12分間隔から21分間隔になり、早朝・夜間は8輌編成から半分の4輌編成となり、乗客の顔ぶれも変わって、耳慣れない言葉も賑やかな車内に、夏休みを感じています。線路際の土手には、子供の背丈程もある夏草が生い茂って、早くも枯れ始めました。木々の緑はこんもりと、今年は何時もより多く繁っているように思え、木蔭が濃く心地よい涼風に安らぎを憶えます。当地の人々がヴァカンスで里帰りしたり、旅行に出たりして空いた時期を狙って、市内各所で工事が行われていますから、バスがいつものコースを外れて大きく迂回したり、思わぬ所で車の渋滞に遭ったりします。特にセーヌ河岸はバイパス道路を閉鎖して、砂を敷きつめ、“パリ・プラージュ”(Paris-Plage)と名付けて海浜ムードに仕立て、市民のミニ・ヴァカンスに解放している(8月21日迄)為、周辺の道路が大変に混み合うことがあります。しかし、様々な観光客の姿に、普段とは雰囲気の異なる夏休みのパリで、自分も観光客の一人となって、気ままに歩いてみるのもなかなか好いものです。