No 7

夏至が過ぎれば毎日1分2分と日が短くなっていくのを感じて、何となく淋しいような気がします。日本が丁度梅雨の頃、当地は激しい雨風、と思えば強い夏の陽光が眩しく、並木の濃い日陰を通れば、菩提樹の花の仄かな芳香にホッとひと息、暑さも忘れます。そんな時、ユネスコ世界遺産(Patrimoine mondial de l’Unesco)に指定されているストラスブール(Strasbourg)とプロヴァン(Provins)を続けて訪れる機会に恵まれました。ストラスブールはパリからTGVで2時間余り、長い歴史の中でドイツになったりフランスになったりしたアルザス地方の首都、イル川に沿って古い街並みに窓辺の紅いゼラニウムも美しい町です。車の通行を思い切って制限して、市電で行き来しますから、羨ましいほどに静かで呼吸が楽な気がしました。プロヴァンはパリから90km程南東に下った中世都市、城壁が半分位残っているでしょうか、広い平野の中の小高い場所、嘗て交易の中心地であった古い宿場町の雰囲気です。そして3日から6日迄ドゴール空港近くのパリ展示会場いっぱいに開催された日本を紹介する展示会<JAPAN EXPO>は、今や大人気のマンガやアニメ、小物、観光誘致などを中心に、既に夏休みに入った若人達や家族連れで溢れんばかり、マンガの主人公などのコスプレを楽しむ“見られたがりや”も大勢居て、連日賑わいました。日仏通商150年の今年、当時の人々は日本をどのように捉えていたのでしょうか。