80周年を迎えた<ローラン・ガロス>テニス場 (LES 80 ANS DU STADE ROLAND –GARROS)

ブローニュの森の一角、緑に囲まれた国際オープン・テニス場<ローラン・ガロス>は、設立80周年を迎えて今年も5月25日から6月8日迄、第75回国際トーナメントが、22面のコートで繰り広げられています。デビス・カップをフランスに招く為に1928年に造られたこのテニス場は、当初フランス四銃士(Les Mousquetaires)と呼ばれたアンリ・コシェ(Henri Cochet),ルネ・ラコステ(Rene Lacoste),ジャン・ボロトラ(Jean Borotra),ジャック・ブルニョン(Jacques Brugnon)といった名選手が活躍、中でもルネ・ラコステは1925年より全仏、全英、全米それぞれのシングルスにチャンピオンの座を獲得、“ワ二のようにボールに食いつき、相手をねじ伏せる”ことから“ワ二”(le crocodile)とあだ名され、引退後にワ二のマークでスポーツ・ウエアを売り出したことで知られていますが、ローラン・ガロス・テニス場内にある博物館<テニセオム>(TENNISEUM)では11月30日迄ラコステに関する品や資料を集めて展示しています。(2, Avenue Gordon Benne--tte,75016 Paris – メトロPorte d’ Auteuil 下車、テニス場のPorte des Mousquetairesから入る・入場料7,5ユーロ・水、金、土、日 10時―18時(国際トーナメント開催期間中閉館))テニス場の名前になっているローラン・ガロス(1888-1918)は今年没後90年になりますが、始めはピアニストを目指し、1906年頃からスポーツに転向、自転車レースに優勝する等各方面で活躍、1910年には初期の飛行機の操縦に熱を上げ、高度記録を三度樹立、1913年には初の地中海横断飛行を成し遂げ、空軍時代は射撃にも優れていたので独軍から要注意人物としてリストされた程でした。このスポーツ万能選手を称えてこのテニス場に<ローラン・ガロス>の名を残したものです。メイン・コートに付けられた名前の<シュザンヌ・ラングラン>(Suzanne Lenglen)は1920年代に活躍した女子チャンピオンで、初めてショート・スカート姿で試合に出場、大きな話題となったそうです。尚、今回の優勝者に贈られる賞金は100万ユーロとのことです。