大晦日から元日へ ( DE LA SAINT SYLVESTRE AU JOUR DE L’AN )

晦日は聖シルベストルの祭日、夜通し飲んで食べて賑やかに祝い、新年を迎える慣わしですが、TVニュースによれば色々な事があったようです。パリではシャンゼリゼ大通りでのカウントダウンにセキュリティの問題からガラスの瓶やコップの持ち込みが禁止されてシャンペンで乾杯が出来ず、その所為でもないでしょうが人出は半減して約3万人、120歳になった鉄のマダムのエッフェル塔の20分に亘る光のスペクタクルに約2万人。動員された警察官はパリだけでも8千人、フランス全土では消防隊員が5万人、警察官と軍隊合わせて4万5千人が警戒に当ったそうです。個人個人であげる花火や爆竹(les petards)の販売も禁止されて、比較的静かに新年を迎えたと思いましたが、モミの木を飾るクリスマス・ツリーの発祥の地アルザス地方のストラスブールでは、今や国境のないお隣の国ドイツへ行って花火を買い求め、クレベール広場ではこれが暴発して50人近い人が火傷を負ったそうです。悪戯に放火されて燃えた車は1147台でほぼ昨年同様とか。パリ市東部のパンタン(Pantin)では或る団体が家族も招いて250名の大パーティを開催、新年を迎えて宴たけなわの午前2時頃に気分が悪くなる人が続出、原因は暖房器具の欠陥による一酸化炭素中毒(l’intoxication par l’oxyde de carbone)と判り、大半が救急車で病院に運ばれました。一方マルセイユでは折から開催中の展覧会の会場からパリのオルセー美術館が貸し出したエドガー・ドガ(Edgar Degas(1834 – 1917))の作品“合唱団員”(les choristes)と題した小型の絵画(時価80万ユーロ)がアラームも鳴らず、誰にも気付かれることなく何時の間にか消えてしまいました。山岳地帯では雪崩れ(l’avalanche)が頻繁に起こり、レザルク(Les Arcs)では行方不明者が出ている様子、コート・ダジュールの海岸地帯では散歩中の人達が急な高波にさらわれて行方不明になるなど捜索隊員も大忙しの様子です。国外では常に派兵問題が話題に上るアフガニスタンで取材中のFR3テレビの記者とカメラマンがタリバン(Talibans)に拉致されたようで心配されています。といったところですが、一旦は遠ざかったかと思われた寒波(la vague de froid)が戻り、雪(la neige)や路面凍結(le verglas)などの単語が目立ちます。元日の朝は日の出が08時44分の予定でしたが、空は灰色にどんよりと曇って陽光はどこへやら、初日の出を拝むことなど程遠い天気でした。