無言館 ( PAVILLON SANS PAROLE )

無言館”と名付けられた戦没画学生慰霊美術館が長野県の上田市に在り、友人に連れられて行ってきました。“口をつぐめ、眸(め)をあけよ。見えぬものを見、きこえぬ声をきくために。”(窪島誠一郎)芸大、美校の学生達が学業中途にして、或いは、さアこれから、という卒業間もなく、兵隊にとられて出征、戦死、病死した若者達の遺作の数々に、スケッチ、日記、家族への手紙をはじめ、遺品を展示しています。美術館の建物は“無言館”と“傷ついた画布のドーム”の二棟あって、どちらもコンクリート打ちっぱなしの礼拝堂のようで、“無念”の雰囲気に満ちて恐ろしいほど、彼等の魂がしっかりと生き続けているのを強く感じました。展示された素晴らしい作品を見ながら、死に際はどんなにか残念であったろうと自然に想像して涙しました。それにしても、これら沢山の遺作などをどのように集めたのか、遺族の方々を探し出し、協力を依頼するに至るまでの苦労を思い、頭の下がる思いを抱きました。
(所在地) 長野県上田市大字古安曽字山王山3462 (電話)0268―37―1650
(アクセス)JR上田駅から上田電鉄別所線塩田町駅下車、別所温泉方面ゆきシャトルバスにて“無言館入口”で降り徒歩5分、又は塩田町から塩田町観光タクシーを利用。