No. 3 Paris, le 29 AVRIL 2008

花に誘われるように里帰りをしました。成田に着陸するや飛行機の小さな窓から、空港を取り巻く満開の桜並木が見え、ああ帰ってきたのだと感じたのは私だけではなかったと思います。東京・芝のホテルに落ち着くと、お隣りの増上寺を始め、桜が半分程咲き残っていましたので、染井吉野の優しさに触れることが出来ました。<パスモ>というJRも私鉄もバスも乗れる便利なカードを買って、都内を網の目に走る地下鉄を大いに利用したのですが、生憎冷たい雨の日が多く、嵐に見舞われた翌日は、各線のダイヤが大いに乱れて、都会の脆さを感じました。それにパスモは割合直ぐにリチャージしなければならず、当地に比べて東京の運賃はかなり高いとの印象を受けました。ホテル滞在後は護国寺近くにある知人のアパートを借りましたが、護国寺の境内も八重桜が若葉に映えていました。八重桜も当地のそれの様に色濃くなく、サト桜、白い花のサト桜ウコン、そして普賢象など沢山の種類があるそうで、枝垂桜の名所で知られる名刹秩父の清雲寺もTVで紹介されていました。毛氈のように真っ赤に咲いたツツジを見て、心満たされて戻ってきましたら、冷たさが残る天気のパリに、名物マロニエの楚々とした花、ゆとりあるマダムの雰囲気に咲くリラの花が満開、木やベランダに巻きついた藤の花も見事でした。我が家の小さなバルコンの片隅に鈴蘭が咲きました。5月1日は“鈴蘭祭り”(Fete du muguet)です。