“イジス、夢のパリ”展 ( IZIS, PARIS DES REVES )

パリをこよなく愛し、街角を舞台に、そこに生きる人々が演じる様々な光景を詩的に捉えた“ヒューマニスト”と呼ばれる写真家(le photographe humaniste)にドワノー(Robert Doisneau(1912-1994))、ブラサイ(Brassai(1899-1984))、カルチエ・ブレッソン(Henri Cartier-Bresson(1908-?))、ウイリー・ロニス(Willy Ronis(1910−2009))が有名ですが、もう1人イジス(IZIS(1911-1980)本名Izrael Biderman)が掲げられます。リトアニアに生まれたユダヤ人の彼は、イジスと名乗ってドイツによる迫害から逃がれ、戦時中はレジスタンス運動員の写真屋として働き、戦後になって以前から魅かれていたパリで仕事に就き、パリマッチ誌のレポーターとして腕を磨き、“異邦人”(l’Etranger(1942 ))を著したカミュ(Albert Camus(1913-1960))など著名な作家や芸術家達のポートレートを撮り、シャガールがパリのオペラ座の天井を飾る画の制作中には、カメラマンとして唯1人撮影を許されたことでも知られています。しかし、一度は画家を志した彼が最も好んだのはパリの街の公園や遊園地、サーカスでした。今年はイジスが逝って30年、パリ市庁では、見知らぬパリっ子達の限りない魅力を捉えた作品270点を展示して、その偉業を讃えています。
2010年5月29日まで パリ市庁舎(Hotel de Ville)(5,rue Lobau,75004 Paris)メトロHotel de Ville、日曜・祭日を除く毎日10時00−19時00、 入場無料