“心のレストラン”の不安( L’INQUIETUDE DES RESTOS DU COEUR ) =1986年6月に交通事故で突然逝ったコメディアンのコリューシュ(Coluche)が生前“僕には小さな夢があるんだ”と云いながら各方面に呼びかけて1985年9月に設立した恵まれない貧しい人達を対象とした給食施設は、その後もコリューシュ夫人と協力者達により受け継がれ、2008年には全国約5万人のボランティアによる奉仕活動により1億食が80万人に提供されました。当初は寒さが厳しくなる11月頃から春になる迄のサービ

“ジャンヌ・ダーク”最後の航海( DERNIER VOYAGE POUR LA”JEANNE D’ ARC” ) 現役では最古参のフランス海軍の戦艦、横浜にも寄港したことのある“ジャンヌ・ダーク”が、来年5月の引退を前に、最後の世界一周航海にブレストを出港しました。1959年建造、全長182m、1万トン級の戦艦で、ホーン岬(Cap Horn)を経て来年3月にニューヨーク到着、5月27日にブレストへ帰港となっていますが、横浜にも寄港するはずです。主な任務は士官候補生や若い士官達(les aspirants)

“モデルになった子供達、ルノワールからアルディティまで”展 ( LES ENFANTS MODELES, DE CLAUDE RENOIR A PIERRE ARDITI ) = 画家や彫刻家、ルノワール、モネ、ピカソ、ヴィアール等が、自分自身の子供をモデルに制作した珍しい作品100点余りを集めて展示しています。素直に(volontairement)ポーズをとっている子、イヤイヤ(a contrecoeur)モデルを務める子、しかし大家の筆により、子供に対する親としての感情が豊かに表現されて、素晴らしい芸

2010年3月8日迄 Musee de l’ Orangerie, Jardin des Tuileries内、メトロConcorde下車、 火曜日休館、 毎日9時―18時、 入場料 9,50ユーロ

ポリスも仕事にうんざり( LE RAS LE BOL DE LA POLICE ) = 人手不足、仕事に次ぐ仕事、検挙数のクォータ、数字に拘る政治、等、もう仕事はうんざり、と待遇改善を求めて全国各地で警察官のデモが繰り広げられています。警察官でもデモ? デモ行進の整理の任務に携わるのも同僚の警察官。デモの意味は理解出来るものの、何か不思議な気もします。

12月のお天気 ( LE TEMPS DU MOIS DE DECEMBRE ) = 朝晩漂っていた霧が遠のいて、風が吹き、雨が降り、青空は極めて稀、木の葉はすっかり散って、景色の所々に針葉樹の濃い緑を残して、木々は枝ばかり、今迄は葉が繁っていて見えなかった木の向こう側の景色が見えるようになりました。日の短い灰白色の冬の訪れ、並木の電飾がキラキラと輝いて、年末年始の祭事が近いことを知らせています。

フランス通信29号

フランス通信(29) (07/12/09)

2009年11月10日の天気  =  パリ 朝夕5℃・日中9℃ 曇天 50km/hの風、時々雨、

ニース 朝夕9℃・日中16℃ 晴天 70km/hの風、 山岳地帯700m以上に降雪

ユーロスターは15才 ( EUROSTAR A 15 ANS )

英仏海峡(la Manche)に海底トンネル”Eurotunnel”を掘って開通してから今年で15周年を迎えた超特急“ユーロスター”は、英国側の専用軌道“ハイスピード・ワン”の完成により営業速度を300km/hにアップ、更にロンドンの発着駅をウォータールーからセント・パンク…

“マチスとロダン”展  ( MATISSE & RODIN )

アカデミスムから芸術を解放しようと二人が初めて会ったのは1900年の事、ロダン60才、マチス31才の時でした。片や既に誰もが認める彫刻の第一人者、片やフォービスムを絵画に採り入れ、彫刻を始めたばかりの画家で、大きな年齢差はありましたが、お互いに解…

切り倒されたマロニエ  ( LES MARRONNIERS ABATTUS )

今から10年程前にマケドニアからやって来てパリ中に繁殖した害虫に蝕まれた白い花が咲くマロニエは、大きな葉もすっかり水分を吸われて枯れ、秋を待たずに茶色く小さく縮れて散っていきました。殺虫剤の散布は人体に影響を及ぼすので、虫の付かない紅い花の…

ジュラ山中のジュラシック・パーク( PARC JURASSIQUE DANS LE MASSIF DU JURA )

リヨンから約1時間、アン県(l’ Ain)にある人口たった124人の平穏な小村プラーニュ(Plagne)が、ジュラシック・パークとして俄に騒がしくなりました。それはリヨンの国立科学研究所(CNRS : Centre national de la Recherche Scientifique)の古生物学者(le pale…

落ち葉を吹き寄せる人 ( LE SOUFFLEUR )

風が雨を呼んで寒さが増し、時には濃い霧が漂い、黄葉が進んで散り、歩く足元に落ち葉がカサカサと音を立て、マロニエの実が足に当たります。この沢山の落ち葉が下水道に詰まると街が洪水になりますので、市の清掃係は大忙し、掃除機の兄弟のようなものを背…

フランス通信28号

フランス通信(28) (11/11/09)

お天気情報  2009年10月25日   日の出07時27分 ・ 日の入17時42分

気温 パリ 朝夕10℃・日中16℃ 曇天、 ニース 朝夕13℃・日中21℃ 晴天 1989年11月9日は親子をも分け隔てたベルリンの壁が壊された日。あれから既に20年。

マルセル石鹸 ( LE SAVON DE MARSEILLE )

シリアの西北アレッポで3000年前に生まれたアレッポ石鹸(le savon d’Alep)は赤銅や石の鍋でオリーヴ・オイル(l’huile d’ olive)に水と苛性ソーダを混ぜながら数日間煮つめ、最後に月桂樹の葉のオイル(l’huile de feuilles de laurier)を混ぜて出来上がり、と…

“20世紀のルノワール”展 ( RENOIR AU XXe SIECLE )

フランス印象派の画家ルノワール(Pierre Auguste Renoir(1841 –1919))が印象派の代表モネ、ピサロ、セザンヌ、或いはシスレー等とのある種の戦いの後、独自の画風を追求して印象主義(l’ impressionnisme)を離れ、南仏に移り住んだ頃から以降の、光に魅せられ…

食糧バンク  ( BANQUES ALIMENTAIRES )

朝夕の寒さが感じられるようになりますと、貧しい人達への救援活動が忙しくなりますが、食料の援助を目的とする食糧バンク連盟(la Federation des banques alimentaires)は今年で活動25年目を迎えました。経済情勢が厳しくなった昨年の6月からの1年間だけで…

秋、そして冬時間 ( L’ AUTOMNE et L’ HEURE D’ HIVER )

“秋晴れ”とまではいかないまでも高い空にウロコ雲、黄色味を帯びた陽光に木々の葉が日々色を変えていく様に、秋の深まりを感じます。向かい側の2本のポプラ(le peuplier)の根元に散り落ちた沢山の小さな黄葉が、まだ緑を残す芝生に作る模様は、まるで貼り絵(…

フランス通信27号

フランス通信 ( 25/10/09 )

お天気情報

2009年9月22日(秋分の日) 日の出 07時38 ・ 日の入 19時48 気温: パリ 朝夕13℃・日中23℃ 薄曇り、 ニース 朝夕15℃・日中27℃ 薄曇り 更に日が短くなって秋が深まってきました。いつもですと、そろそろ濃い霧が出て、飛行機の運航に支障をもたらす頃です。…

街に生まれたグラフィティ展 ( NE DANS LA RUE – GRAFFITI )

ジャン・ヌーヴェル設計のガラスの館カルチエ財団の外にも中にも時ならぬグラフィティの氾濫に、何時誰が描いたのだろうか、相当量のスプレー缶を使ったのでは、等と驚いていましたら、これが展覧会。見にやって来た人達の行列の横では梯子をかけて今や制作…

ポンピドー・センターの“エル”展 ( “ELLES” AU CENTRE POMPIDOU )

現代美術の絵画など名作コレクションを誇るポンピドー・センターでは、20世紀から今日までに活躍の女性作家200人を選び、作品600点を展示して”ELLES”(エル:彼女達)展を開催しています。モンマルトル、モンパルナスに生き、1905年から1930年代迄制作に励んだ…

パリ熱帯植物園  ( LE JARDIN TROPICAL DE PARIS )

パリの東、ヴァンセンヌの森(le bois de Vincennes)の中に“熱帯植物園”と呼ばれていた庭園があります。今ではすっかり忘れ去られたようですが、1907年に華々しく開催された“植民地博覧会”(l’ Exposition Coloniale)の会場として1899年に造られ、当時には珍し…

ウイリー・ロニス  ( WILLY RONIS )

フランスには“ヒューマニスト”と呼ばれる写真家(Photographe humaniste)が4人居ます。ドアノー(Robert Doisneau(1912-1994))、ブラサイ(Brassai(1899-1984))、カルチエ・ブレッソン(Henri Cartier-Bresson(1908- ?))、そしてウイリー・ロニス(1910-2009)です…

ACISKOフランス通信26号

フランス通信 (23/09/09) 秋分の日 (L’ AUTOMNE ) 陽光を暖かいと感じるようになり、大気は湿って懐かしいような秋の匂いがします。22日秋分の日はl’ Automne(秋)と呼ばれ、暦には珍しく聖人の名前が付いていない日です。町を一歩出ますと、国道沿いの土…

お天気情報

2009年9月6日 日の出 07時15 ・ 日の入 20時22 パリ 朝夕8℃・日中 22℃ 晴天、 ニース 朝夕19℃・日中 27℃ 晴天 日が次第に短くなって、陽光が斜めに家の中まで射し込む様になり、寒さすら感じます。 Kanews

ミラベル ( LA MIRABELLE )

今が食べ頃の“ミラベル”は“イエロー・プラム”と呼ばれるスモモの一種、桜ん坊よりは大きくプラムより小さな黄色い丸い実で、ほんのりと桃のような香りの甘い果物です。生で食べますが、フルーツ・タルトにもしますし、ミラベルで作った食後酒もあります。産…

パリのマロニエに赤信号  ( LES MARRONNIERS VOIENT ROUGE )

まだ9月だと云うのに、パリの並木や公園のマロニエの葉がすっかり枯れてしまっているのにお気付きですか。確かにマロニエは他の樹木に比べて早く枯葉となり、散っていきます。それにしても一寸早過ぎます。パリ市の森林・樹木課(Service de l’arbre et des b…

ボルドーに木製の遊歩橋  ( LA PASSERELLE DE BOIS A BORDEAUX )

10月に催される都市創作ビエンナーレに参加の日本の造形作家川俣正氏(1953−)のインスターレーション”Foot Path”と名付けられた作品は、ボルドー市のカンコンス広場からガロンヌ河に至る(de l’esplanade des Quinconces a la Garonne)120mの木製の橋で、9…

2009年はブドウの当たり年 ( LA RECOLTE 2009 S’ ANNONCE TRES BONNE )

冬に雨が多く、春から夏にかけて晴れの天気が続き、夏の陽光に恵まれた今年はアルザスからブルゴーニュを経てボルドーに至る各地でブドウの収穫が早くも始まっています。特にプロヴァンス地方のロゼは“順風満帆”(Le rose a le vent en poupe), 既にアメリカ…